大工工事の準備で平屋に使う木材を仕込み中の「井上製材所」さんへお邪魔しました。
製材所へ歩いていく間、近づくにつれて、ふわっと鼻をくすぐる清々しい木の香り。なんだか豊かな気持ちになります。
日本全国で製材所の数は年々減少していると聞きました。現在の多くの家づくりでは、あらかじめ海外などで四角く均一にカットされ、薬液処理された「既製品の集成材(流通材)」を使うのが一般的だからです。
そんな中、青野原で何代も続いているこの製材所で、丸太(原木)や乾燥させた木材から一本ずつ、その家に合わせて「木を挽(ひ)く(カットする)」というスタイルは、建築業界でも非常に珍しく、贅沢なことになってしまいました。
木には一本ずつ、育った環境による「クセ」や「個性」があります。地域の気候を熟知した職人が、地域産の木の性質を見極めながら、最適に製材していく。
力強い音を立てながら、乾燥の間に黒くなった木材の表面を削ると、美しい、まっさらな「木肌」が現れる瞬間は、何度見ても感動します。
既製品では絶対に味わえない、手触りと香り。
この木たちは現場へ運ばれ、骨組みに組み込まれていきます。
この香りと木肌の美しさは、きっと完成した家でも感じていただけるはずです。

